うるさかったり危険を感じたり、妙な工事をいろいろ紹介してきましたが、中でもとりわけひどいな、と思える工事、異常な工事には、それを可能にするためなのかちょっとした工作がおこなわれているように思えました。
(1)工事標識の分かりにくさ
通常は移動可能な立てかけ式のものを一般的に見ます。工事現場には標識が2箇所必要だそうですが、工事の端と端において、これによって工事内容、期間、発注者、受注者などが分かります。
しかしどこかの駐車場の網や壁などに標識等を貼って固定してしまうと、その工事が場所をずらして移動していくときに、その標識との距離が開かれ、標識がみあたらず、何の工事か分からないことがあります。
(固定、駐車場のパイプにくくりつけている)
とりわけ問題を感じる工事現場でこれをやっているところがありました。しかもその道には3つくらいの工事が並列しておこなわれているので、この標識はいったいどの工事のものであるか、分かりづらかったです。
(矢印の赤い道で3つの工事が行われていました)
しかも、受注している会社と、現場で工事をしている実際の会社が違います。これは受注している会社が下請けに出してやらせているからです。稼動しているショベルカーやダンプカー、そして工事員のヘルメットの会社名はみな下請け会社のロゴが入っていて、標識にある受注会社の名前は見かけません。監督として一人か少数いるのみです。つまり標識に書いている受注会社名と実際に働いている会社が違います。
(赤い枠内に記載された会社ではなく、別の下請け会社が工事をしています)
このように、(ア)工事は移動しているのに標識は固定しているので、工事と標識の間に距離があって分かりにくく、(イ)同じ道で3つの別々の工事が行われているのでどの標識なのかわかりづらく、(ウ)また受注者として記載されている会社が、実際工事をしている会社と違うので分かりづらく、3重に分かりませんでした。
またこの3つの会社のうち、下請けに出しているのが2社で、工事標識の中に名前のない会社が工事をしていたことになります。またその2社は固定的標識を使っていました。
工事をしている会社が分かりづらい。このことの意味は、工事に問題があったときに苦情が会社に行くと工事を中断しなければならない決まりになっているらしいのですが、会社が分からなければ、苦情を届けることができない、ということになります。
(2)標識に書かれた住所が存在しない
お寺の裏でおこなわれている別の工事でも一日中ドリル音がすごく、こんな工事が許されるのだろうかと疑問に思ったことがありました。
工事現場の表と裏に工事の標識がありましたが、お寺側に設置された裏の標識は網が2重にされた裏に設置されており読みづらく、よほど近づかなければ解読できない所もありました。
しかも設計事務所はビル内であるのにビル名が記されておらず、探しづらいものです。
発注は東京の会社です。
受注した建設会社の住所を探すと存在しませんでした。近所で聞くと、この住所は以前のもので今は存在しないそうです。この近隣の住所番号が改変されたようです。
新しい住所を聞いてみると、とあるビルであることが分かりました。旧住所を使うにしてもビル名さえ標識に書いていれば旧住所でも探すことはできるでしょうが。存在しない旧住所を使い、しかもビル名を書かないことに意図的なものを感じてしまいます。
しかもその住所は「現場事務所」の住所らしく、受注者の札幌支店の住所ではありません。これは普通ではないのではないでしょうか。
知り合いの工事関係者の人に聞いた所、工事に問題があって受注会社に苦情の連絡が行った場合、工事をストップさせなければならないとのこと。そしてストップした期間の延滞の費用はその会社持ちになるそうです。そのようにして工事が住民に迷惑がかからないように法か条令が守っているのでしょう。
しかしこのような標識ですと、住所が分からず、電話をしても現場事務所だし支社に連絡が取れません。電話番号にかけても、一体どんな人が出るのか分かりません。本当にその会社の人なのか、そんな疑いももってしまいます。
役所で調べると、この工事現場の住所として記載されている住所の変更はその9年前のことでした。うるさい工事をしているその会社はそんなに前に改変されて今は存在しない旧住所を工事標識に記載しているのです。
近隣住民が工事の苦情をしようとしても何重にも覆いがかけられて、結局受注会社に連絡できない仕組みになっているように思えます。
このことをこの工事の関係者に指摘すると、表の標識は問題のないものに変わりましたが、2重の網の裏に置かれたお寺側の標識はそのまま変わりませんでした。つまり、工事現場の表(南側)の標識は正しいものに変わったけれども、裏側(北側)のお寺側の標識は変えられず、相変わらず二重の網の裏に読みにくいまま、存在しない旧住所のままでした。理由はよく分かりません。
(3)工事現場の騒音測定器がおかしいのでは
道営住宅が立ち並ぶ場所で、また別のうるさい工事がありました。暖かくなりかけた季節で、皆さん窓を開けたいだろうに、この工事音ではうるさくて開けられないと思いました。どうしてこんなに生活の支障が出そうな騒音が続くのか、なぜこれだけ多くの住民は苦情を言わないのか、町内会や集合住宅の管理組合で当然苦情が寄せられていたはずですが。
そんなときに、工事現場に設置されている騒音計に気づきました。そして見ているといくら大きな音が鳴っても75デシベルを決して越えないこと気づき、違和感を感じました。76や77になりそうになっても決して75を越えることはありませんでした。
「これは騒音計がおかしいのでは」と思い
ました。
騒音計がおかしかったり、細工されていると、いくら近所の人たちがたまらないと思って現場に苦情を言いに行っても「しかし騒音計で見ると範囲内の音ですよ」と言われれると、それ以上何も言えません。
このようにしてこんなに多くの住民が迷惑しているに違いないのに、一日中、何日にもわたってドリル音がなっていたのだろうと想像しました。
そこで騒音計の写真を撮ったり、動画を撮って音と数字の動きを記録したりしました。
するとその後まもなく、気づいてみると騒音計が取り去られており、工事音も少し収まりました。
工事が続いているにもかかわらず、なぜ騒音計が取り払われたのか、理由はよく分かりません。
このように、工事音や工事による恐怖感がある工事現場の中でも、特にひどいな、と思っていた現場で以上のような(1)標識の分かりづらさ、(2)標識に書かれた住所が存在しない、(3)騒音計がおかしいのでは、というような工作じみたものが見られ、どの会社に苦情の電話を入れればよいのかよくわからない状況となっているように思えます。
それでこんなに異常な工事が続けられることが可能のではないかと思われます。